10月 5, 2012 - FUN    No Comments

これからの100年をデザインする

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今日は函館市公民館で公立はこだて未来大学特別講演会
「これからの100年をデザインする」が行われました。
講演会の詳細はこちら。
講師は車のフェラーリのデザイナーとして有名な
工業デザイナーの奥山清行さん!
デザインの話だけかと思いきや・・・
スケールは超デカかった!
最後はまちづくりの話になっていたし。
そして、ボリュームも満点満点満点!
お腹いっぱいです。
日本人と思えない猛スピードの講演スタイル。
書きたいことが多すぎてまとまってないですが!?
たくさん書いておきます!そうしないともったいない・・・
【ニーズとウォンツ】
いつも使っている言葉だけど、
「ニーズ」と「ウォンツ」の話では目からうろこでした!
車を例に挙げると・・・
マーチ(100万円程度)ではなくミニ(219万~440万)
を高くても喜んで買うこと。
時計ではクォーツ(安価)とスイス製機械式時計(高価)を例に挙げていました。
クォーツは1000年使えるといいながら、4年に一回壊れる。
しまいには部品の在庫がなくなる。
この場合、物を買う人の本能を理解しているのは後者。
100万円以上しても油をそそいでメンテナンスすれば後世までずっと使える。
後世に残したいと思うのは人間の自然な欲求。
時間を見るのではなく時計を見るために買う。
必要で仕方なく買うものから必要なくとも買いたくて仕方ないものへ。
結論として、ハード的に劣っていて値段的に高くても人間は欲しいものを買う。
それに関連してコモディティー商品とブランド商品の違い。
「2~3倍なら買わない」「30%アップくらいなら買う」「作った人が好き」とか
なのでアップル製品は前者だそうです。
それに対してフェラーリは絶対に金額を落としません。
印象に残ったのは・・・
アメリカでは、チームを信じるな、自分を信じろ
日本では、チームを信じろ、自分を信じろ
イタリアでは、チームも自分も信じるな
と教えられること。
しかし、日本は5人以上集まると話がまとまらない。
多数決やトップダウンで決めようとする。
日本には議論力がない。
議論とは多数決でもトップダウンでもない決め方。
義務があって初めて権利が成立する。
義務を理解しないで権利を先に主張してしまうので
日本の議論はうまくいかない。
日本人は周りが何を求めているか敏感に受け取ることができる人種、自分は日本人だからこそイタリアやアメリカ人よりもそこで求められていることがわかるデザインができる。
【好きこそものの上手なれ】
開発者が市場に自らをおく⇒市場がほしいもの=自分がほしいもの
壊れてないのに次のものを買わせること、ニーズをウォンツにかえてしまうことが大事。
ダイソンの掃除機のゴミタンクが透明な話を例に・・・
「ゴミを吸ったらそれを見たいのが人間です!」
というお話には会場では笑いがw
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【プロフェッショナルになること】
エンツォフェラーリ、いまだに定価を割ったことがない!1億円を切らない。
当時、買いたい人が350台だったので
創業者の1台少なく生産すると言う言い伝えにより349台を生産した。
そうしたところ、限定販売ということで注文は殺到・・・(3000件)
でも399台で生産を止める。
フェラーリ会長が生産をとめたといっても顧客は納得する。
これにより名声を保つ。
「人生を決めた15分」として、
フェラーリ社デザイン部上司にデザインを15分で命じられて
提出した作品が採用されて人生が変わったということです。
15分で書けるわけはなく、実は用意していた。
必ず準備をしているのがプロ、していないのはアマチュア。
準備をしていなかったらいまここにいない。
一生のうちに一度くるかどうかの15分のために準備する。
アマチュアは一回きりで終わってしまう。
プロはアマチュアに勝てるように量をこなす。
※おそらくデザイン部上司も奥山さんがちゃんとしたものを提出してくるって
信じていたんだと思います。
設計者が次に何を創ったらよいかわからない。現場を知らない。
自分が作った製品がどのように使われているかわからない。
デザインはお金である。

アート(自分のもの)vsデザイン(お客さんのもの)
デザインのお金はお客さんから依頼を受けて、
商品が売れてそのマージンとしてめぐりめぐってお金をもらう。
【匠の技をいかしたものづくり】
素人の人ほど商品を理解している。おいしいものはおいしい。
人間の手を使って最終製品に近いモデルを作る。
トリノには自動車設計のニーズが集まる、
実車モックアップはクレイモデルではなく
木をかんな、のみ、紙ヤスリで削って木で作る。
粘土と違って実車に近い堅さが表現出来る。
ルネサンス期から彫刻に優れたイタリアの人材が集まってくる。
技術=食材、商品価値=価値
見ても真似できないものをつくること。
暮らしぶりをデザインすること。
【これからの100年をデザインする】
サービス業と製造業がなければどちらも成り立たない。
産業界と消費者、複雑に絡まっているからこそ
どちらも保護しなければならない。
情報の送り方を変えていくこと。技術は集めて使った人のところに残る。
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コンパクトシティの提案。(東北大震災津波被害地区への提案として)
職場、教育機関、病院、漁港、水産業、ショッピングセンターなどが入った複合施設。
災害から身を守るため、現実的に城壁都市が建設される。
いろんなエネルギーを使って、20メートル高の人工地盤をつくる。
職場と住居が一緒のまちはイキイキしている。
スマートフォンを活用してオンデマンドモビリティへ。
コンビニ⇒スタバ⇒ついでに充電スタンドへ。
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移転できない住民の対策手段として、
「平成希望の五重塔」を創る。
老人が孫の手を引いて15分で避難出来る距離は500mということから
平地に1Kmおきに避難塔を造る100年寿命を考慮して鉄は使わず、
樹脂繊維等を混ぜた軽量コンクリートで製造コストも考慮する。
100年に一度しか使わないが、人々に安心と希望を与える存在。
避難塔は美しく!
人間が行ってみたいと思えるようなものでなければならない。
最後の質疑応答では・・・
人間のためにものをつくっていることを忘れないこと。
コンセプトは考えるのではなく、お客さんを知ること身体を動かすことで見えてくる。
ということをお話されていました。
今回の講演会で一番感動したのは・・・
プロというのは準備をしっかりとしているということです。
これからの100年は・・・
情報がかわる。伝達方法が変わる。
ということ。
デザインの講演会というよりは、
どんな仕事の現場でも共通していることが多かったです。
奥山さんありがとうございました!
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