8月に行われる科学祭のサイエンスカフェ(科学夜話)実施に向けて、ゲストにお願いする函館水産試験場さん(湯川)の見学会に行ってきました!
まず最初に試験場についての説明をしていただきました。水産試験場は道内に7カ所。中央水産試験場は余市に所在しており、調査船は3隻。函館には金星丸という船を保有しているそうです。
北海道全体での、主な業務内容は「資源管理(海洋環境のモニタリングと評価)」「漁業の生産力を高める増養殖技術の推進」「水産加工品の鮮度・品質保持に関する技術開発」「資源の効率的管理によるさけます増殖の推進」が軸だそうです。
函館水産試験場(職員数30名)では、水産業を発展させていくためには水産資源の持続的な利用と増大を図る必要があるため、やみくもに漁獲するのではなく、海がどのように変化していくかを考えながら、後世に残す形をモットーに研究されていて、漁獲しながらの資源調査が主な業務内容(ホタテガイ養殖研究、スケトウダラの資源管理、ナマコの放流技術開発)です。海洋環境調査の管轄は渡島・桧山・後志・胆振・日高地方海域の沿岸です。
資源管理方策の提言は社会的にとても重要です。資源調査をもとに「この場所の魚を漁獲するようにしてください」と漁業者に報告する。これにより魚の体長制限や保護区を設定することができるんだそうです。また、効率的な採苗に必要な情報を提供することでほたて養殖業を安定させており、養殖に必要な採苗数確保・貝毒プランクトン調査により、毒化することの発生予察を通して出荷貝の安全・安心を確保しています。
とにかく、天然環境でお魚さんが育っているところには手を加えるにはかなり慎重にされているという印象でした。他から持ってくるのではなく、そこで育っている親の魚から子どもに引き継がれるようにとか・・・場所によって適したやり方が異なるそうです。
次にホッケを題材にお話をいただきました。
道南におけるホッケの資源状況ですが、産卵期は10~11月。寿命は7~8歳、漁獲物は4~5歳。ホッケの分布を説明する中で、海域間でDNAなど遺伝的な違いは認められていないけれど、3海域にわけて評価、分布しているそうです。
北海道でのホッケの漁獲は数量的には全国6位(5万7千トン)、金額では10位(48億8800万円)。市町村によって漁獲方法が異なりますが、定置網漁が主な方法です。なお、恵山が漁獲量的にはダントツ、まき網が最も多いそうです。
水産資源の数量を推定する中で注意する点は、人間の都合によるフィルタがかかっていることです。というのは、漁獲のされ方も加味して調査する方法と、漁獲情報から独立してデータの取得もされているそうです。
そして、まさに生命の神秘だな・・・と思ったのは、ホッケの年齢査定についてです。これまで体長による年齢査定が主流だったそうですが、ここ2~3年は魚の頭部にある「耳石」の縞模様によって年齢査定しているそうです。海域によって資源が豊富かそうでないかによって同じ年齢でも体長が異なることがわかったとのことです・・・、これまで1歳だと思われていたのが実は3歳だったとか・・・これは大きな誤差になりますね、耳石は時間に嘘をつかないということです。また、ここ2~3年で、道南ではホッケの漁獲量が減っているそうです。
お話のあとは試験場の中を見学させてもらいました。社会科見学みたいですねw
実際にホッケの耳石も見せてもらいました!写真はあえて載せません!サイエンスカフェまでお楽しみに!
函館水産試験場の皆さん、ありがとうございました!8月を楽しみにしています!
スルメイカ、学術的にはこれが正式!足が上なんだとかw
———————–
17位に上がった!
クリックお願いします! ↓
にほんブログ村